四方山話

山形県のバス釣りが危機!外来魚のリリース禁止を検討中!意見募集!

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バス釣り用タックル(ルアー・ロッド等)を扱うメーカーが毎年のように生まれ、フィールドでも多くのバスフィッシングを嗜むアングラーを見かける昨今。

しかし、日本国内のブラックバス・バスフィッシングを取り巻く環境は、ブラックバス(ラージマウスバス・スモールマウスバス)が特定外来生物に指定されて以降、決して良好とは言えません。

今回はそんな逆風に晒され続けている日本のバスフィッシングが、更に後退してしまうかもしれない悪い知らせ――山形県の内水面漁場管理委員会が実施予定の「ブラックバス等外来魚の再放流(リリース)を禁止することについてのパブリックコメント」について紹介します。

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山形県のバス釣りが危機!ブラックバス(ラージ・スモールマウスバス)等のリリース禁止を検討中!

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山形県の内水面漁場管理委員会が「県内でブラックバス等の外来魚の生息域が拡大し、在来種や漁業等への被害が拡大しているため、リリースを禁止することによって個体数を減らしたい」という考えから、

「ブラックバス等外来魚の再放流(リリース)※を禁止することについてのパブリックコメント」を実施すると予告。

と県のサイトではパブリックコメントの実施について説明されていますが、最上川のスモールマウスバスの繁殖が引き金を引いたようです。

コクチバスが広く生息、生態系に影 最上川、本紙記者釣果「1時間で5匹」|山形新聞

  • ※再放流(リリース)とはキャッチアンドリリースのリリース(釣ったその場で魚を放す)のことを指します。
  • 釣った外来魚を移動させて放流することは、ブラックバスが外来生物に指定されたときから禁止されています。

これまでブラックバスに関するパブリックコメントを実施した結果、バスフィッシングを愛するアングラーに良い結果が出たことは恐らくありません。

ブラックバスの特定外来生物への指定に対するパブリックコメントには、11万を超える意見が集まり、そのうち9万5千を超える意見が反対意見でした。

また、その翌年に行われた「ブラックバスの公認釣り場の増設や有効活用」を要望する活動には100万を超える署名が集まりました。

しかし……。

今回の山形県の内水面漁場管理委員会が実施するパブリックコメントに関しても、いろんな意見を聞きました、では「ブラックバス等の外来魚のリリースを禁止します」という茶番劇の可能性もあるかもしれません。

パブリックコメントの前に開催された山形県内水面漁場管理委員会?意見交換会?に参加した薮田和幸プロや傍聴した方によると、親身になって話を聞いていただき、またリリース禁止を推し進めようとする方ばかりではなかったそうです。特定外来生物法に違反する行為を恐らく受けながら……。

しかし一方で、山形県の内水面漁場管理委員会がリリース禁止のパブリックコメントの実施を予告していることを、いち早く記事にしていたスミスのIKE-Pさんのblogに、こんなことが書かれていました。

9月12日に開催された委員会においては、依頼を受けた釣り団体が集めてきた釣り人側からの意見報告もなされた。おおよそどのような意見が集まったのかは容易に想像がつく。自分もバスアングラーだから。

そして釣り人からの意見を聞いた委員の方がこう言ったそうです。
「バス釣りの人達は自分達の楽しみを守る事しか考えていない」

引用:山形県、外来魚の再放流禁止に関するパブリックコメント募集へ。2|IKE-Pの釣れづれ日記

※太字は当サイトによるもの

山形県のブラックバス等の外来魚のリリース禁止に対する意見を出そうと思っている方は、IKE-Pさんのblogを読んでおいた方がいいでしょう。

ブラックバスリリース禁止・駆除反対に対する行政の反論

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もう1つ。リリース禁止に対して反対意見を出そうと思っている方が、目を通しておいた方がいいかもしれないもの――ブラックバス(ラージマウスバス・スモールマウスバス)の駆除反対、リリース禁止反対の人達がよく口にする意見

  • 在来種の減少はブラックバスだけのせいではない!
  • バス釣りはレジャー産業として地域経済の発展に貢献できる!

等について、既にリリース禁止を決めた行政(宮城県)が出した答えを一部紹介しておきます。

Q:在来魚の減少はバスによる食害ではなくて、生息環境の悪化が原因ではないのですか?

A:環境悪化も原因の1つであることは考えられますが,バスの食害が過小評価されるものではありません。大きな環境変化がなくても、バスの出現以降、在来魚が急激に減少している事例が本県にはあります。

Q:在来魚の減少原因のデータがないのに「害魚」として扱うのはおかしいのではないですか?

A: 本県では、内水面水産試験場が伊豆沼をはじめいくつかの湖沼で魚類相の変化についての継続的な調査を実施しており、在来魚減少はバスの食害によるものであると実証しております。

 
(中略)
 

Q:バスが移入されると一時的には増えますが、やがて、減少して安定します。したがって、在来魚を食べ尽くすことはなく、バスを含めた生態系が形成されると思いますが?

A:それは安定したのではなく、餌となる小型魚が激減した結果、バスの繁殖に支障を及ぼし、個体群が縮小している状態です。

 さらに、バスの減少安定後もバスがいる限り、残った在来魚はバス侵入以前のレベルに回復することはありませんし、この過程で絶滅が危惧される在来魚もおります。

 特に、閉鎖性水域では在来魚にとってバスの存在は致命的な脅威となり、バスという動物相の単一化に向かうと考えられます。

 
(中略)
 

Q:漁業権魚種に設定すれば多額の遊漁料が徴収でき、これを環境保全や在来魚の保護に充てることができます。さらに、バス釣りは関連産業(釣具屋・宿屋・コンビニ等)を活性化させ地域経済に寄与しているのではありませんか?

A:密かな放流により全国に拡散し在来魚の存続に重大な影響を与えているバスを、漁業権魚種にして、県内の公有水面に温存させることは出来ないと考えております。
 また、バスを容認することにより、ルアーフィッシングの新たな対象種として第2第3の外来魚が移植され、豊かな生態系が破壊されることも懸念しております。

引用:ブラックバスなどのキャッチアンドリリース禁止に対する県の考え方 - 宮城県公式ウェブサイト

全文はこちらから→宮城県公式ウェブサイト

これはあくまでも宮城県の考え方とはいえ、意見を出そうと思っている方には参考になるでしょう。

そんな宮城県の考え方とは逆に、スモールマウスバスの聖地である野尻湖では、野尻湖漁業組合が「ブラックバスの駆除・リリース禁止に反対!」と意見書を出し、リリース禁止の委員会指示が出された後には、逸出防止対策を講じた上で解除申請を行い、ブラックバス(ラージマウスバス・スモールマウスバス)のリリース禁止が解除された実例もあります。

そして、山形県の内水面漁場管理委員会を構成する組合は、リリース禁止を推し進めようとする方ばかりではないそうです。

しかし、リリース禁止に発展するほどの問題となったスモールマウスバスのことを無視して、リリース禁止反対を声高に叫ぶわけにはいかないでしょう。考えなくてはなりません。

山形県のバスフィッシングに関わっている人はもちろん、それ以外の人もパブリックコメントが実施されたときのために、意見を出す準備をしておいてはいかがでしょうか?

ブラックバス等外来魚の再放流を禁止することについての意見募集概要

意見の募集期間:平成28年9月下旬~10月下旬頃
問い合わせ先:山形県農林水産部水産振興課内 山形県内水面漁場管理委員会
(電話番号:023-630-2477または3298)

ブラックバス等外来魚の再放流を禁止することについての意見募集の予告 — 山形県ホームページ

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