2017年、フルモデルチェンジを果たすと共に、500Sという新たな番手をラインナップに加えてきたSHIMANO(シマノ)の新型スピニングリール「NEW Soare CI4+(17ソアレCI4+)」。
最注目の番手となる「17ソアレCI4+ 500S」とはどのような番手なのか?
今回はアジング・メバリングを嗜むアングラーにオススメの新型スピニングリール「17ソアレCI4+」を、旧モデルやベースとなったモデルとスペックを比較しながら紹介します。
情報更新:17ソアレCI4+ 500Sの技術特性について
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シマノ新型スピニングリール「17ソアレCi4+」
シマノのアジングやメバリング等のライトゲーム用ブランドとなる”ソアレ”シリーズの最新スピニングリール「17ソアレCI4+」。2013年から4年の時を経て、2017年待望のフルモデルチェンジとなります。
ベース機となるのはクイックレスポンスシリーズの一翼を担う人気スピニングリール「16ストラディックCI4+」。13ソアレCI4+が16ストラディックCI4+の前身となる12レアニウムCI4+ベースだったことを考えれば当然の流れでしょう。
しかしながら、17ソアレCI4+のラインナップはベースとなった16ストラディックCI4+にはなく、クイックレスポンスシリーズの頂点である16ヴァンキッシュにも、フラッグシップモデルとなる14ステラにも存在しない
- 17ソアレCI4+ C2000SS PG
- 17ソアレCI4+
の2機種(13ソアレCI4+から引き続き採用)に加えて、新番手となる
- 17ソアレCI4+ 500S
の計3機種。ライトゲーム用スピニングリール”ソアレ”シリーズだけの特別なラインナップとなっています。
また、身に纏うカラーもガンメタ×シルバーのボディ、ローターに、差し色としてソアレシリーズのイメージカラーとも言える(オレンジ)ゴールドをスプール、ハンドルに配したNEWカラーへ一新。
ブラックカラーを抑えた17ソアレCi4+のカラーリングは、13ソアレCI4+よりも軽く感じるような気がします。
それでは、フルモデルチェンジを果たし、新しい番手も加わった17ソアレCI4+はどこが進化したのか?旧モデルとなる13ソアレCI4+やベースとなった16ストラディックCI4+とスペックを比較しながら見ていきましょう。
NEWマグナムライトローター
13ソアレCI4+から17ソアレCI4+への進化ポイントで最も大きいのが、新しく生まれ変わった「NEWマグナムライトローター」の採用かもしれません。
シマノが誇る軽量かつ高剛性なCI4+を採用したアシンメトリー(左右非対称)なNEWマグナムライトローターは、従来のマグナムライトローターよりも更に軽くなりながら、剛性面でも大幅に進化。
シマノが誇る冷間鍛造技術が用いられた”HAGANEギア(超々ジュラルミン製ドライブギア)”と負荷が掛かったときでも力強く巻き上げることができる”X-SHIP”などと組み合わさることによって、より軽い巻き始め、軽快なリーリング、滑らかな巻き心地を得られることでしょう。
リジッドサポートドラグ&ラピッドファイアドラグ
12レアニウムCI4+の派生モデルがそうであったように、16ストラディックCI4+と派生モデルとなる17ソアレCI4+の最大の違いが「ドラグシステム」です。
17ソアレCI4+には高い負荷が掛かったときでも安定したドラグ性能を発揮する「リジッドサポートドラグ」が採用されています。ベース機である16ストラディックCI4+には採用されていない技術です。
更に、17ソアレCI4+はリジッドサポートドラグに加えて、「ラピッドファイアドラグ」が新採用されています!このラピッドファイアドラグはドラグノブを右に左に少し動かすだけで、瞬時にドラグ力を大きく変更することができるため、魚の引きに即座に対応することができます。
まー慣れていないと強くしすぎたり、弱くしすぎたりすることもありますが(笑)
17ソアレCI4+はリジッドサポートドラグと大幅な剛性のアップを実現したマグナムライトローターとの相乗効果によって、より安定したドラグ性能を体験することができることでしょう。また、大径化されたドラグノブによってドラグ操作が容易になるかもしれません。
個人的には未だに大径ドラグノブは好きになれませんが。
CI4+製軽量ハンドル
17ソアレCI4+には16ヴァンキッシュから採用が始まった、CI4+製の軽量な新型ハンドルが採用され、ハンドルノブも13ソアレCI4+のようなラウンドノブではなく、16ヴァンキッシュと同じ軽量なフラットノブが新たに採用されています。
更にハンドル長も一新!
製品名 | 17ソアレCI4+ | 13ソアレCI4+ |
C2000SS PGのハンドル長 | 35mm | 40mm |
2000S HGのハンドル長 | 45mm | 50mm |
より短く、より軽くなり、より繊細な釣りを可能にしてくれるかもしれません。
あとハイギア仕様でもハンドルカラーがゴールドではなくなったようです。
13ソアレCI4+と16ストラディックCI4+とスペック比較
製品名 | 17ソアレCI4+ | 13ソアレCI4+ | 16ストラディックCI4+ |
ボディ材質 | CI4+ | CI4+ | CI4+ |
ローター材質 | CI4+ | CI4+ | CI4+ |
ドライブギア材質 | HAGANE | HAGANE | HAGANE |
ピニオンギア材質 | 超高強度真鍮 | 超高強度真鍮 | 超高強度真鍮 |
マイクロモジュールギア | × | × | × |
X-SHIP | ○ | ○ | ○ |
NEWマグナムライトローター | ○ | × | ○ |
コアプロテクト | ○ | × | ○ |
Gフリーボディ | ○ | × | ○ |
リジッドサポートドラグ | ○ | ○ | × |
ラピッドファイアドラグ | ○ | × | × |
海水OK | ○ | ○ | ○ |
※表の17ソアレCI4+はC2000SSPG、2000HGを対象にした情報です。
こうしてみると意外と13ソアレCI4+とは差がありますね。
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17ソアレCI4+ 500Sの存在意義とは?
14ステラの登場以降、3年周期から4年周期でのモデルチェンジとなったシマノのスピニングリール。今回の17ソアレCI4+のフルモデルチェンジも例外ではなく――つまり既定路線であり、スペックに関しても予想通りのものであったと思います。
しかし、ただ1つ全くの想定外だったのが、ソアレシリーズに新たに組み込まれた番手「17ソアレCI4+ 500S」の存在です。
ベースとなった16ストラディックCI4+にも上位機種となる16ヴァンキッシュにも存在しない番手。それを17ソアレCI4+のためだけに新開発して出すとは考えにくく、1000(C2000)の派生モデル的なリールかなと思っていました。
しかし、画像とスペックを見るにどうも”ボディ”、”ローター”、”スプール”と全てが17ソアレCI4+ 500Sだけのオリジナルサイズっぽく見えますね。
17ソアレCI4+ C2000SS PGとはボディデザインが微妙に異なっているし、ローターも違う。スプールもただのシャロースプールではなく、C2000SS PGとはスプール径自体が異なっています。
品番 | 500S | C2000SSPG | 2000SHG |
自重 | 140g | 160g | 180g |
重さも17ソアレCI4+ C2000SS PGより更に20gも軽い140gと驚異的な数字です!
ただ、13ナスキー500がそうであったように、17ソアレCI4+500Sも他のモデルとは別物という恐怖もあるかもしれません……。
<追記>
やはり、17ソアレCI4+ 500Sは他のモデル(C2000SS PG、2000SHG)とは別物だったようです。
17ソアレCI4+ 500Sには、フルモデルチェンジの目玉の1つである”NEWマグナムライトローター”が採用されておらず、13ソアレCI4+と同じ旧マグナムライトロアーラーとなっています。
また、ドライブギアの大径化とピニオンギアの最適配置、そしてピニオンギアをベアリングで2点支持するという”X-SHIP”も採用されていません。他の2モデル(C2000SS PG、2000SHG)に比べて、17ソアレCI4+ 500Sのベアリング数が1つ少ないのはこれが要因なのでしょう。
17ソアレCI4+ 500Sの140gという驚異的な軽さ、コンパクトさは大きな魅力ですが、果たして買いなのかと言われると……。
17ソアレCI4+のスプール互換性
多くのシマノスピニングリールの最小番手となる1000(C2000)クラスとは、スプール径が異なる17ソアレCI4+ 500S。
製品名 | 17ソアレCI4+ 500S | 同C2000SS PG | 16ヴァンキッシュ 1000PGS | 14ステラ 1000SSS |
スプール径 | 39.5mm | 42mm | 42mm | 43mm |
ナイロン糸巻量 | 2lb-115m | 2.5lb-140m | 2lb-170m | 2lb-100m |
多くのシマノスピニングリールの1000(C2000)クラスのスプール径が42mmであるのに対して、更に小さい番手となる17ソアレCI4+ 500Sのスプール径は39.5mm。そして、14ステラのスペシャルシャロースプール(1000SSS)に迫る浅溝です。
となると、気になるのは―スプールの互換性についてです。
例えば、17ソアレCI4+のベース機となった16ストラディックCI4+ C2000S(C2000HGS)の場合、16ヴァンキッシュ、15ツインパワー、15ストラディックの1000(C2000)クラスのスプールと交換することができ、替えスプールとして使い回すことができます。
しかし、17ソアレCI4+ 500Sのスプールは他のリールと互換性がなく、替えスプール・予備スプールとして使い回すことができないかもしれません。
そしてもう1つ気になるのが、巻き癖の問題。17ソアレCI4+ 500Sのスプールに巻かれるラインは恐らく、巻き癖が付かないPEライン(例外あり)ではなく、エステルラインかフロロカーボンラインになるでしょうから、更に小さなスプールを装備した17ソアレCI4+ 500Sはどうでしょうか?
17ソアレCI4+ 500Sのギア比と最大巻上長
500Sという番手の英数字の羅列から、ノーマルギア仕様となる「17ソアレCI4+ 500S」。
そんな17ソアレCI4+ 500Sのギア比5.6:1、最大巻上長(ハンドル1回転)69cmという数字は、
製品名 | 17ソアレCI4+ 500S | 16ストラディックCI4+ C2000S | 16ヴァンキッシュ C2000S |
ギア比 | 5.6 | 5.0 | 5.1 |
最大巻上長 | 69cm | 66cm | 67cm |
少し大きなサイズとなるかもしれないC2000(1000)クラスよりも高いギア比であり、速い巻き取りスピードです。
また、現行シマノのスピニングリールの中で数少ない500という番手を持ち、同じギア比が設定されている13ナスキー、14サハラの場合、
製品名 | 17ソアレCI4+ 500S | 13ナスキー 500HG | 14サハラ 500HG |
ギア比 | 5.6 | 5.6 | 5.6 |
最大巻上長 | 69cm | 64cm | 64cm |
末尾に”HG”が付いたハイギア仕様となる数字です。
そこで気になるのが巻き始めの軽さ、巻いているときの軽さです。
17ソアレCI4+ 500Sが使われるかもしれないアジングにおいて、重要となるのがラインスラックの処理。そして、そのとき重要なのがリールの起動の速さ――巻き始めの軽さです。
果たして、17ソアレCI4+ 500Sはどうなんでしょう?
まー13ナスキー、14サハラは少し古いリールになりますし、グレードも違うので比べても意味ないかもしれませんが(笑)
コアプロテクト
エントリーモデルからフラッグシップモデルまで、多くのシマノのスピニングリールに採用されている防水機構「コアプロテクト」。
ソルトでの使用が考えられる17ソアレCI4+にも当然採用されているのですが、17ソアレCI4+ 500Sには”採用されていません!”
コアプロテクトの解説には
撥水処理による水玉形成効果により、微細な隙間があっても水の浸入を抑制することに成功。このため本来不可能であった回転抵抗を増やさずに防水効果をアップするという相反する課題を解決することが可能となりました。
引用:SHIMANO
と、このように書かれているのですが、回転が重くなったという声もあります。ダイワのマグシールドと同じように。別の要因かもしれませんけど(笑)
もしかしたら究極の軽さ、巻き感度を求めてマグシールドをあえて外したダイワの「17スティーズ(スピニングリール)」のように、その分軽くなっている可能性もあるかもしれません。
ただ、シマノの本命は……。
17ソアレCI4+(リール)のスペック・発売日
製品名 | ギア比 | 自重 | 最大ドラグ力 | 最大巻上長 | 糸巻量(フロロ) | 糸巻量(PE) | ベアリング | 価格 |
500S | 5.6 | 140g | 3kg | 69cm | 2lb-90m | 0.3号-140m | 8/1 | 34,200円 |
C2000SS PG | 4.3 | 160g | 3kg | 57cm | 2lb-170m | 0.6号-140m | 9/1 | 34,200円 |
2000HG | 6 | 180g | 4kg | 81cm | 3lb-110m | 0.6号-150m | 9/1 | 35,300円 |
シマノの新型スピニングリール「17ソアレCI4+」の発売日は2017年7月頃を予定しているようです。
生まれ変わった新型スピニングリール「17ソアレCI4+」で、アジング、メバリング等のライトゲームや管釣りを楽しんではいかがでしょうか?